ダイナミックレンジ(Dynamic Range)とは、識別可能な信号の最小値と最大値の比率のことでです。dBという単位で表示されます。
dBの数字が大きい方が高性能です。
FM放送 およそ60dB
レコード盤 およそ65dB
オープンリールテープ およそ70dB
一般の音楽用コンパクトディスク 最大96dB←ここ注目
DVD 最大144db
*人間の聴覚が認識できるダイナミックレンジは、個人差はあるもののおよそ120~130dbだそうです。
TDA1543 96db Philips Semiconductors
FN1242A 102db 新潟精密(株)
PCM5102 112db Texas Instruments
ES9023 112db ESS Technology,Inc
CS4398 120dB(2ch) / 123dB(mono) Cirrus Logic,inc
AK4990 120dB(2ch) / 123db(mono) 旭化成エレクトロニクス(株)
WM8741 125dB(2ch) / 128dB(mono) Wolfson Microelectronics plc
PCM1792A 129dB(2ch) / 132dB(mono) Burr-Brown Products
ES9018 127dB ESS Technology,Inc
スペック的にはコンパクトディスクのダイナミックレンジを超えているので再生には全く問題ありません。
理論的にはダイナミックレンジの大きいチップを使ったDACのほうが高性能でいい音が出せそうですが、実際にはそうでないのが面白いです。
DVDの再生にしても、実質144dbで録音するのは技術的に難しいので最新のチップが搭載されたDACなら問題ないでしょう。
音楽媒体に音源が収まるように、多少なりとも録音エンジニアはその範囲内に収まるように小さい音は大きくし、大きすぎる音は小さくして加工しています。
この辺の調整が上手いエンジニアのCDはホント音が良いと思います。
それに比べて、昨今のポップス系CDは、音源がほとんど最大値に張り付いた状態のもの(下記写真参照)が多くて嫌になります。
ぱっと聞いた限りは音がはっきりして印象に残る(セールスに結びつく)という理由だそうで、これは音楽愛好家からすれば余計な事なので止めて欲しいものです。
酷いものになると何カ所もクリップ(最大値超過)が発生しているとんでもないCDが売られていて、そのような状態でCDを世に出されたアーティストは気の毒としか言いようがありません。
話しが変わりますが、洋楽のレコードを買っていた頃は、日本盤よりも、余計な評論文や訳の分からない翻訳が入っていなくて値段も安い輸入盤の方を好んで買っていました。
無意識にも輸入盤のほうが録音が良いというので選んでいたかもしれません。
何故か洋楽の同じタイトルのレコードやCDが日本盤と輸入盤では、音圧レベルが日本盤のほうが大きいと感じていましたが、日本サイドで何かしらの加工(改悪)がされていたのかもしれません。
ダイナミックレンジが必要な音源としては、クラシックのオーケストラの録音があげられます。
無加工で録音する場合は120dbくらいは必要だそうです。
CDでクラシック音楽を再生しても、所詮CDに収まるように加工がされているので、原音再生がどうのこうのと蘊蓄を垂れているオーディオマニアの行いがバカバカしく思えますね。